ガリガリ君値上げも販売10%増

年間4億1000万本以上を販売する、赤城乳業のアイスキャンデー「ガリガリ君」が、4月1日出荷分より値上げした。1981年に50円で発売。1990円に現在の60円に価格改定して以来、子どもが買いやすい価格を堅持してきただけに、25年ぶりの値上げは消費者や関係者一同に大きな反響を呼んだ。
値上げの対象商品は、ガリガリ君をはじめ「ブラック」が60円から70円に、「スーパーソフトチョコバニラ」が150円から160円に、「パフェデザート」が300円から330円に値上がるなど11シリーズが価格改定となった。「ブラック」も誕生が1978年と長く愛されてきたシリーズ。こちらもガリガリ君同様50円で発売され、1990円に60円に値上げをしている。
今回の値上げの背景について、赤城乳業では「世界的な食品需要の変化」「物流費の高位安定」「原材料やスティックなど包装資材の価格高騰」「人件費高騰」という4つの理由を挙げている。「ガリガリ君」のプロデュースを担当する萩原史雄マーケティング部長によると、「さまざまな原因が複合的に組み合わさっている。企業努力を続けながら価格を据え置いてきたものの、昨年は利益が出なかったぐらい、限界に来ていた。1年間見送ったうえで、今回の決断となった」という。7~8年前から議論され尽くしてきたとはいえ、60円という価格を変えることは社としても辛い選択だったという。その思いは社員一同がそろって頭を下げるCMに表れている。
では、今回の値上げは売り上げにどの程度影響したのだろうか。社として事前に予想していたのは、「値上げに対する厳しい反応」であり、94%程度落ちるとみていたそうだ。しかし、案に相違して「点灯から入る暫定データだが、4月は本数にして前年比10%アップした」とのこと。
もちろん、インパクトの強いCMや広告をはじめとする宣伝効果も、売り上げアップに大いに貢献しているだろう。何しろ動画は一躍話題になってネットで出回り、「値上げに関する取材申し込みには、すべて対応した」そうで、テレビや雑誌、ウェブサイトなど、有名マスコミ媒体のほとんど全ての取材を受けたという。これを良い機会に、社としての姿勢が改めて全国の消費者に伝わり、「これまでよく頑張った」という好意的な目で受け入れられたわけだ。
赤城乳業では4月25日にガリガリ君の新商品、「キウイ」「ライチ」などを発売。また大人の女性をターゲットにした「大人のガリガリ君」など高価格帯商品も好調だという。
しかし、「今年はソーダ味のガリガリ君を積極的に食べてほしい」というのがメーカーとしての気持ちだという。値上げをしても好調なガリガリ君。長い間60円という価格を死守してきた赤城乳業の企業努力を称賛するとともに、原点ともいえるソーダ味にも注目が集まりそうだ。